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しゃしゃさん「マーイェセフィド」 感想

久しぶりに感想書くぞー!
しゃしゃさんところのマーイェセフィドを読ませていただきました。
あまりHPを公開してる感じじゃないのでURLは載せませんが、とてもおもしろかったです。

あらすじ
セフィードは白いという意味の言葉。セフィーが生まれた国は髪の色や肌の色、生まれた体格や体型で人間かそれ以外かが決まってしまうような国だった。
何故か男娼だったセフィーが国王であるシャムシャと恋に落ち、王妃になるまでの物語。


感想(ネタバレよん)
読み始めたばかりの時、実は奇形がたくさん出てきてかなーりきつかったです。というのも私の知り合いに部分的にそういう形をしているお友達がいたからなのですが
そういう方々が「気持ち悪い」と言われる気持ちは痛いほどよくわかっていたので。
アルビノの友達は残念ながらいませんでしたが、主人公のセフィーはアルビノの男の子です。
ドS変態貴族の奥方の息子に殺されそうになったところから、何故か国家陰謀に巻き込まれる羽目になったラッキーなのかアンラッキーなのかわからないセフィー。
読んでる最中、このドS変態貴族の次男坊であるナジュムくんに何度「爆発しろ☆」と言ったかわかりません。しなねー、絶対こいつしなねーよと思ってたら、途中処刑されそうな場面が出てきて「え、ちょちょちょちょ! ナジュム死ぬのええええええええ!?」
ってなりましたがやっぱり死にませんでした。ふてぶてしいですね、生きててくれて嬉しいよ。
これだけナジュムにツンデレかましてますが、セフィーは可愛いしシャムシャ女王はかっけーし美しいしでこれ、美人美男のカップルじゃん。ただし男がなよい、女が女傑。
わりかしライルやルムア、ハーヴァスとかもキャラが濃くて好みだったのですが、それにしても怯えてるだけなのにかわいそ可愛いセフィーと、蓮っ葉な口調のシャムシャとナジュムが濃すぎて濃すぎて。
個人的にはハーヴァスの死ぬ直前に怒鳴ったあの台詞が好き。
反逆罪で幽閉されて恋人さえ作れず、ずっとずっと返り咲くことだけ考えてたんだよね! あんただって辛かったよね! ってなったし、ところどころ出てくる無慈悲さがこの国の元々の性質なのだなと思うとひやっともした。私なら描写するのを戸惑うとこをずばっと書いちゃうしゃしゃさんの勇気にも恐れいった。
ルムアが可愛いですね。ルムアのこのシャムシャのためなら何でもするっていう献身的な態度と、ナジュムとの会話でのはっちゃけぷりが。
なんつかシャムシャ様もそうですけれど、この作品に出てくる女性がデンジャラスで好きでした。こりゃ尻にしかれるぞー。ラシードさん尻にしかれるぞー。
ラストのシーンで、セフィーの息子が病気の花をつまないでほしいって言ったあたり。
たぶん最後はこういう落ちなんだろうなと思っていたのになんかすごくすごくうれしくてね! というかその手前のシーンでお前のとーちゃんお前を殺しちゃえって言ってたんだぞって思ったら本当なんかお父さんのセフィーからしてもすごくうるっときたと思います。
なんつか、こういうのを見ていると、世の中次世代のための子供たちが生まれてくるんだなと感じますね。
そしてどんなにその時代を生きるのにふさわしくても、親と子は違う時代を生きるんだなって感じる。
なんでそんな壮大な感想になったかといえば、この作品、好きなシーンはたくさんあるんですけれども、山場が特にここ! 見どころ! ってシーンがあるわけじゃないんですよね。全部見どころといえば見どころなんですが。
一つの国の文化背景が入れ替わるまでの壮大かつめくるめくドラマをじっくり見させてもらったみたいな印象でした。
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もこもさん、引き篭り魔法使いが術を失敗して、巻き込まれてしまいました。

た、大変遅れてしまって申し訳ありません。
読むにスイッチが入らなかったのと、まとめるにスイッチが入らなかったという怠惰な2つの理由で大変大変遅れてしまい申し訳ない限りです。

「引き篭り魔法使いが術を失敗して、巻き込まれてしまいました。」
http://ncode.syosetu.com/n6804bk/

もこもさんのページ(なろうに飛びます)
http://mypage.syosetu.com/146474/

私が読むのが牛歩だったのがいけないのですが、三ヶ月経ってる間に(大変すみません!)二倍の量更新されていたみたいで、楽天koboちゃんで読んでいた私はオンラインページを確認してびっくりしてしまいました。取得失敗したのかと思ったくらいです。
この段階私のkoboちゃんで300ページ以上という超力作だった上に、私が続けてまた読んでる間に更新が続いたらずっと感想をお届けできないと思いまして、
「引き篭もり魔法使いの事情7」までをとりあえず目安に、感想を書こうと思います。

感想(ネタバレあり)
もこもさんの小説は私の音感と相性がいいらしく、私にとってはとても読みやすい小説でした。
引き篭もり魔法使いのウィータと、弟子のアニムちゃん。愉快なウィータのお友達の魔法使いたちに、精霊のフィーニスとフィーネ。
異世界に飛んできたアニムの周りは常に騒がしく、常に微エロがつきまとう(笑)
アニムちゃんかわいいですもん。本当に二十歳になっているの? と思うくらい反応が初々しいというか。こりゃウィータ師匠もからかいたくなりますよね。
アラケルのクソガキっぷりも素敵でした。アラケルに勇敢にウィータのことが大切だと主張しちゃうアニムのシーンには迫るものを感じました。
赤ちゃんみたいなとつとつとした口調なのに、全然子供っぽさがなく、その部分だけアニムってこんなしっかりした子だっけ? と思うくらいまっすぐで。
あのシーンがたぶんいちばん好きです。
ウィータがアニムしか弟子をとっていない事情も、ウィータがアニムにこだわり続ける事情も、後々明らかになってきましたが、今まで異世界に飛んできた女子大生というイメージだっただけに、この展開はびっくりもしました。
私は異世界トリップものを滅多に読まないのですが、異世界に逆輸入するというのはすごく面白い発想だと思ったのです。
前半エロく、後半(読んだ範囲では)切なく、読んでいてとても楽しめました。
まだまだ更新が続くみたいなので、全部更新が終わった頃にまた読ませてもらえたらなと思いました。

今回は大変遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
もこもさんの文章はとても相性がよかったので、また暇を見て別の作品も読みたいです。
ありがとうございました。

トキさん「少女と王子と本の騎士」 感想

トキさんのサイト
わかりません。教えてくれたらURLを貼ります。

「少女と王子と本の騎士」のページ
http://ncode.syosetu.com/n2370bb/

あらすじ
フィオレンツァは司書の見習い。王子様のような見た目の上司ヴィエリと、平凡な性格平凡な容姿の王子様クラウディオといっしょに平和に城で暮らしている。そんなある日、クラウ王子が露店で見つけてきた聖書の写本。冒険と恋の始まりだた。

感想(ネタバレしまくりです)

庶民派王子と庶民女子の庶民的ロマンチック冒険。のような印象でした。
いやあ、クラウディオ王子ともかく素敵。なんというか、飾ってない、気取ってない、とっつきやすいところがとてもいいです。
フィオレンツァにしてみればロマンチックとは言いがたいのだろうけれど、第三王子がとっつきやすい性格でお忍びで城下町でフルーツ買ってくれたり、露店からおみやげ持ってきてくれたり、お見合いで出かけた異国で夜中に城をいっしょに抜け出して夜食を食べにいったりとか……ロマンチックですよねえええええ!!!
なんというかクラウディオが17歳にしては子供っぽいところとか、フィオレンツァが恋に対して奥手なところとか、釣り合ってるんだけれども恋より食い気、キスよりもいっしょに馬鹿やっていたいって雰囲気がもう可愛くて可愛くて。
この二人、将来もっと大人になったときは落ち着きも出てくるんだろうけれどもこの冒険とか、お互い漫才のような会話ばかりしていた頃の記憶ってすごくいい思い出になるんだろうなって思います。初恋の相手がそのまま好きってケースは少ないけれど、この二人は恋って感情が消えてもお互いを大切にできるって感じがします。出来ることならこのまま熱も冷めずにゴールインしてくれれば! と思わずにはいられない。
そしてヴィエリさん。あまりの万能っぷりに思わず最初、実は海賊一味にヴィエリが加担しているとかいう裏切りを期待してしまいましたが、最後まであなたは騎士でした! ただし箒で戦う騎士ですが。
ヴィエリはクラウディオとフィオレンツァのかなり奥手な恋をどう思ってるのかしら~? と考えましたが、あんま実は関心がないというか、そこらへんに関与するつもりはなさそうだなと思ったり。誰に恋するかは二人の問題だと思ってそうですね。

トキさんより気になった点があれば……とのことだったので、ひとつだけ。
庶民派王子乙女コンビがボケたやりとりをしすぎて物語全体が少しピンぼけしてしまっている気がします。いや、彼らのテンションは常にこんな感じだということはよくわかるのですが、全体的にメリハリがもうちょっとつくと面白さが際立つのかな? という気がしました。
トキさんが気にしていた主人公の印象の薄さなどは特に気にならなかったです。十分親しみが感じられる性格だったと思うし、庶民派王子にはこれくらいの女の子でいい気がするのです。私もおばちゃんだというのに
「いいわあ、年が16だったらクラウディオ王子といっしょに城下町散歩したかったわ」
とか思うくらいでしたから、そう思ってくれる読者は少なくないと思います。
お料理で言うならば「あの調味料が足りない、この調味料が足りない」というよりも「味がしまってない」のが決め手に欠けるんじゃあないかなと思いました。
料理もさじ加減がぴったりだと味がぴしっと決まります。具材のクラウディオ王子やフィオレンツァ、ヴィエリ、海の冒険などはいい出汁が出ているので、あとは味付けの物語、具体的に言うならばセリフの量やまとめかたにもう少しメリハリがつけば文句ないなあと個人的には思いました。


とはいえ、オンノベとしてはとても面白かったです。とても楽しめました。
感想を書くのがとても遅れてしまってすみません。これに懲りずまた依頼してくれると嬉しいです。ありがとうございました!

兵藤さつき様 「天青詞華」感想

兵藤さつきさんのサイト
http://www.peve.org/index.html

「天青詞華」
http://www.peve.org/tensei/tensei.htm

あらすじ
兄と喧嘩した直後、鈴花は気づいたら名前も知らない異国にいた。その国で出会った二人の若者。一人は荒くれ者で不器用な男、一人は優雅でおだやかな男。しかしそんな二人に取り合いされながらも、鈴花が願うのはひとつだった。
つまるところ「家に帰りたい!」その国においての女性の常識は、鈴花にとって耐えられるものではなかった。

感想
あらすじがうまくまとまらなかったのですが、このお話は涙腺ブレイカーです。
第四章あたりまで読んで、何故か思考がストップしたのでしばらく読まずにいました。今日読んでも平気そうなテンションだったので最後まで読んだのですが、四章から先は何度も目が潤み、そして最後のほうでは泣きながら次のページボタンを押すのですが、眼鏡が涙で曇って見えなくてつらかったです。
ヨンヤンのお姉さんの怒りの言葉。「私はこの国で誰よりも偉い女になってやる。必ず男の子を産んで皇帝にしてやる!」って本当に怒りが凝縮してますよね。この言葉を聞いたときになんというか、私の背筋には彼女の怒りが通り抜けたような気がしました。この国においての女性の運命に、彼女は精一杯信念を貫いたのだと思います。格好いい女性だという一方で、そんな彼女ですらこういう形でしか成功できないというものに悲しさを覚えたのがまず最初の涙腺ブレイクでした。
そこから先、どこでブレイクしたのか覚えていません。何度もブレイクしました。なんで涙が出たのか明確な理由はありません。感動するというより、悲しくて泣いたんです。ともかく悲しい、悲しみの上にできたストーリーでした。登場人物たちは悲しさの中でもがきながら、それでも何か一抹の希望のようなものを手繰り寄せようとがんばっている。こういう社会もあるんだ、これは他人ごとじゃなくてもしかしてあったかもしれない。そう感じるようなリアリティのあるドラマ。お話かもしれないけれど、彼らの心はリアルに存在する私たちの心と共鳴しているような気さえします。
ガオシンが好きでたまりませんわ。ガオシンに萌えたというより、彼の母になりたくてたまりませんでした。もう本当、こんな愛情に飢えた社会があるんだとしたら、こんな愛情に飢えた子が本当にいるのだとしたら、鈴花のように全力で愛してあげる誰かの存在を望まずにはいられません。
鈴花は家に帰ることもできたと思います。鈴花にはその権利があったと思います。彼のことをわすれて、幸せになることだってできたはずです。
「帰れよ。そして俺を振ったことを一生後悔しろ」
これ言えてしまうガオシンも格好よすぎますが、それに魂から応えることができた鈴花が本当……すっごく格好よくて、なんというか静かに激しい女性だなと思いました。情熱的で穏やかだけどすごくみなぎるように愛に満ちてる子です。
思い出すと涙また出てくるから落ち着くまでは読み返しません。だけどすごくよいお話に会えました。このカタルシスはすごい。さつきさんのお話を読んで、絶対にここまで書き込める技量を身につけようと覚悟しました。追いつけないかもしれませんが、目指します。
すごく好きなお話です。出会えてよかった、ありがとうございました。

高良あくあ様「とある狼少年と赤ずきんの恋詩」感想

高良あくあ様のサイト
わかりませぬ。

「とある狼少年と赤ずきんの恋詩」
http://karappono.web.fc2.com/douwa/koiuta.html

あらすじ
誰が呼んだか赤ずきん。赤い髪に浅葱色の目、美しい容姿に生まれたミルドレッドは、あるとき狼の少年を拾う。
これは寂しい赤ずきんと孤独な狼少年の恋の物語り。立場をこえた絆の物語。

感想
大団円。という言葉が読み終わったあとに浮かびました。
単純に言うならばスカっとしました! ドロッとしたお話も好きですが、こういうスカっと最後霧が晴れたようにすがすがしいお話もいいですよね。
ミルドレッドはどこから見てもよい性格。クルトも爪弾きにされてたわりには曲がらずよく育った青年だと思います。もうこりゃ恋の予感しかしないでしょ! くっつけよくっつけよくっつかないの!? くっついたー! のような最後スマホの前で拍手してました。なんというか、読み終えたあとになんだか清涼さも残る爽快感でした。ライトなのにすごく引っ張りこまれた感じ。何がどうしてという理由はわからないけれど、引力のある世界観がぐいぐい引っ張っていってくれました。
これから先の彼女たちに幸あれです。
ここで物語が終わってるのに永遠に語り継がれるような雰囲気が好きでした。ありがとうございました!