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トキさん「少女と王子と本の騎士」 感想

トキさんのサイト
わかりません。教えてくれたらURLを貼ります。

「少女と王子と本の騎士」のページ
http://ncode.syosetu.com/n2370bb/

あらすじ
フィオレンツァは司書の見習い。王子様のような見た目の上司ヴィエリと、平凡な性格平凡な容姿の王子様クラウディオといっしょに平和に城で暮らしている。そんなある日、クラウ王子が露店で見つけてきた聖書の写本。冒険と恋の始まりだた。

感想(ネタバレしまくりです)

庶民派王子と庶民女子の庶民的ロマンチック冒険。のような印象でした。
いやあ、クラウディオ王子ともかく素敵。なんというか、飾ってない、気取ってない、とっつきやすいところがとてもいいです。
フィオレンツァにしてみればロマンチックとは言いがたいのだろうけれど、第三王子がとっつきやすい性格でお忍びで城下町でフルーツ買ってくれたり、露店からおみやげ持ってきてくれたり、お見合いで出かけた異国で夜中に城をいっしょに抜け出して夜食を食べにいったりとか……ロマンチックですよねえええええ!!!
なんというかクラウディオが17歳にしては子供っぽいところとか、フィオレンツァが恋に対して奥手なところとか、釣り合ってるんだけれども恋より食い気、キスよりもいっしょに馬鹿やっていたいって雰囲気がもう可愛くて可愛くて。
この二人、将来もっと大人になったときは落ち着きも出てくるんだろうけれどもこの冒険とか、お互い漫才のような会話ばかりしていた頃の記憶ってすごくいい思い出になるんだろうなって思います。初恋の相手がそのまま好きってケースは少ないけれど、この二人は恋って感情が消えてもお互いを大切にできるって感じがします。出来ることならこのまま熱も冷めずにゴールインしてくれれば! と思わずにはいられない。
そしてヴィエリさん。あまりの万能っぷりに思わず最初、実は海賊一味にヴィエリが加担しているとかいう裏切りを期待してしまいましたが、最後まであなたは騎士でした! ただし箒で戦う騎士ですが。
ヴィエリはクラウディオとフィオレンツァのかなり奥手な恋をどう思ってるのかしら~? と考えましたが、あんま実は関心がないというか、そこらへんに関与するつもりはなさそうだなと思ったり。誰に恋するかは二人の問題だと思ってそうですね。

トキさんより気になった点があれば……とのことだったので、ひとつだけ。
庶民派王子乙女コンビがボケたやりとりをしすぎて物語全体が少しピンぼけしてしまっている気がします。いや、彼らのテンションは常にこんな感じだということはよくわかるのですが、全体的にメリハリがもうちょっとつくと面白さが際立つのかな? という気がしました。
トキさんが気にしていた主人公の印象の薄さなどは特に気にならなかったです。十分親しみが感じられる性格だったと思うし、庶民派王子にはこれくらいの女の子でいい気がするのです。私もおばちゃんだというのに
「いいわあ、年が16だったらクラウディオ王子といっしょに城下町散歩したかったわ」
とか思うくらいでしたから、そう思ってくれる読者は少なくないと思います。
お料理で言うならば「あの調味料が足りない、この調味料が足りない」というよりも「味がしまってない」のが決め手に欠けるんじゃあないかなと思いました。
料理もさじ加減がぴったりだと味がぴしっと決まります。具材のクラウディオ王子やフィオレンツァ、ヴィエリ、海の冒険などはいい出汁が出ているので、あとは味付けの物語、具体的に言うならばセリフの量やまとめかたにもう少しメリハリがつけば文句ないなあと個人的には思いました。


とはいえ、オンノベとしてはとても面白かったです。とても楽しめました。
感想を書くのがとても遅れてしまってすみません。これに懲りずまた依頼してくれると嬉しいです。ありがとうございました!
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