忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

恵陽様「来客御礼」の感想

恵陽様、このたびはご依頼いただきありがとうございました。
最近睡眠不足だったので少し落ち着くまで時間をいただいてしまいましたが、来客御礼を読んだらなぜか心がすっきりしてぐっすり眠れました。不思議(笑)

異世界に招待された男の子とうさんくさい中華口調のヒロインの淡く切なく、涙が出てくるようなストーリーでした。
いや、こう書くとシリアスなお話のような気にさせるんですけれども、主人公くんの気分になれば
淡く(これからの冒険に期待し)
切なく(人生の残酷さに打ち拉がれ)
涙が出てくるような(私は笑って涙が出ました)
お話でした。

さて、溜めもつくったところでハイテンションに感想をお届けしたいと思います。
恵陽様の素敵小説のアドレスはこちらです。
http://www.geocities.jp/keiyo_u/short/kyaku00.html


>この世界では机の引き出しや箪笥が異世界との通路になることもある。嫌な例を挙げれば公衆トイレだって異世界と通じたことがあると聞き及んでいる。

なんと。この短さで異世界トリップものをやってのけたのか。
私の心が弾みます。
思わず携帯の画面に前のめり。

>これは夢だ。絶対に夢だ。夢に違いない。夢じゃないのなら、アレだ。夢オチだ。

これは最初に異世界トリップした人間なら誰でも考える「なんだ夢か」というオチだと信じたい心境ですね。

>高二にもなってネコ型ロボットのアニメを欠かさず見てるから変な異世界願望が出ちまうんだ。まあ、あれは異世界じゃなくて未来だけど同じようなものだ。今度から毎週見るのはやめにして、二週に一度見ることにしよう。

なんか可愛い男の子だなあと思いました。
ある意味トリップしてきて正解だったんじゃあないの? とまで。私はひどいですね。

>神様仏様貧乏神様、誰でもいいから嘘だと言ってくれ。でも出来るなら貧乏神じゃなくて神様か仏様にお告げをもらいたい。

携帯で見ていたせいかもしれませんが、どこまで現実逃避が続くんだろうということが気になりました。
本題に入るのはいつだ? 焦らしてるんだな、私をじれじれさせてこの主人公くんは喜んでいるんだな! と都合よく解釈してさらに続きを読みます。

>……嘘じゃなかった。

パソコンであとで確認したところ、実はそんなに長いものでもなかったです。
彼の混乱が私に電波したのか、永遠のように長く感じた現実逃避は、美人な似非チャイナ少女に顔を覗き込まれて終わります。


とまあ、こんな感じで、異世界の冒険が始まるんだ! と思わせておいて、主人公くんにはとても残酷な現実が突き付けられます。
チャイナ少女のリーファちゃんは、好きな異性と両想いになるおまじないをかけました。
そしたら召喚された=リーファの好きな相手って僕!?
そんな淡い期待をぶち壊すように、彼女は笑顔で残酷なことを言います。

>「あいやー、我好きな人の名前なんて恥ずかしくて書けないあるよ。だから別のを書いたある。我の店お客さん少ないある。だから『客』って書いたあるよ」

ここまでは私、ランダムに選ばれたお客様なのだと思っていました。
主人公くんの苗字が「客」だなんて全然思っていませんでした!
この理不尽すぎる異世界召喚。私は笑いました、涙が出るほど笑いました。

召喚された理由がわかるまでにスクロールバーで半分を超えたあたりまでくるのですが、ここまで溜めに溜めておいて、これだけ盛大に裏切られるといっそすがすがしいとまで感じます。
客くんもきっとこれから始まる冒険とかに期待していたと思うんですよ。猫型ロボットを欠かさず見る子ですもの、きっと混乱しながらも内心淡い期待を抱いていたに違いありません。
それを突き落とすような現実。異世界召喚なのにあんまりだ。
いやー笑った。

手前が長かったのに、店にあるものを買ったらあっさり返してくれるというこのお手軽さもとてもおいしいです。
何のために召喚されたんだろうと思わずにはいられない。世の中の苦ずっぱさを味あわされて最高です。
そして帰った彼を待っていたのは先生のどやす声。ひどい、あんまりだ。
そして極めつけが彼女のメッセージカードに書かれた「また来るよろし」という可愛い走り書き。

>僕はその紙をびりびりと半分に破ると、窓から外に投げ捨てた。
>二度と行くものか!

同感! もう二度とあの異世界に行きたくない。(笑)
最初は入りづらいかとすら思えたストーリーなのに、最後の瞬間には主人公と同じ気持ちになっていたという罠。巧妙な罠でした。

思わず感想もいつもの1.5倍くらいハイテンションな内容になってしまったのですが、とても面白く拝読させていただきました。
これは書いていて楽しかったんだろうなーという気持ちがびんびんに伝わってきて、それがまた心地いい。

どうぞこれからも執筆活動に励んでくださいませ。
このたびは面白いお話を拝読させていただきありがとうございました。
またのご利用をお待ちしております!

PR