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ヒロ様、このたびはご依頼ありがとうございました。
掌編「餌付けされる日」を拝読させていただきました。
ヒロ様の素敵小説のアドレスはこちらです。
http://bungeisen.main.jp/novel/ezuke.html
餌付けって響きでなんとなく誰かが飼われるお話なのかな、禁断の香りがむんむんのお話なのかしら、ドキドキと胸をはずませてリンク先を読むと、最初の時点で何かを間違って両手を緊縛しかかっている主人公。
ほうらほうら! これはきっと緊縛プレイのお話なんだよ。とまったく見当違いなことを考えていました。本当お恥ずかしい。
読み終わったときに感じたというか、浮かんだ言葉は「不適材不適所」ってやつなんですよね。
適材適所にみんなが配属されれば、問題は比較的少なく終わるはずなのに、これだけ不景気な時代になるとみんなが自分にとって心地よい環境、適当だと思える職場に行けるわけではない。
主人公は効率よくルーチンワークをしていくことや、営業で人と人のコミュニケーションをしたりするよりも、どちらかといえば頭を使うことや企画する仕事とかのほうが得意なのかもしれません。
大学院まで出たのですから、考えたりすることが苦なタイプではないと思うのです。
だけど何故かスーパーの食べ物を積み込む仕事や、直感を使うタイプの仕事に就かざるえなかった。
ある意味別の部分が鍛えられるチャンスだと思えるような人ならいいのですが、この主人公はどこかで
「ここは僕の居場所なのだろうか?」
と感じているように思えます。
もし明日、偉い誰かが「あなたを好きな仕事に就かせてあげるよ」って言ったら、彼はどんな仕事を選ぶのだろう。たぶん営業や荷造りの仕事をそれでも選ぶタイプではないはずです。やりがいのない仕事だとは思っていないけれども、やりがいのある仕事だとも感じていない。ただ就職できる場所が本当に限られている時代だったから、選ばざるえなかった職場。
仕方ないとわかっていても、どこかで感じるジレンマ。それは「もっと自分らしく働きたい」って感じることなのかもしれません。
まあ、そんな不適材不適所な職場で居場所もなんもなかった彼にとって、主人公よりかは幾分かスマートに生きている高卒の絵里奈さんは学歴は自分より低いのに、生きる力はある女性。
言い方がちょっと違うかもしれません。ここで生きていく力がある女性ということですね。つまり彼女は比較的適材適所の場所にいるんだと思います。
そして主人公にちょっとした気遣いを見せるだけの余裕もある。
言葉はちょっとはすっ葉で、だけどそれが嫌味だと感じられないのはきっと彼女の言葉にどこか思いやりや愛情を感じるからじゃあないのでしょうか。
>「そ、餌付け。ペットなのだ君は」
けっこう失礼な言葉だけれども、なんというか不思議な気分になる言葉です。
繋いでおかないと、どんどん離れていってしまいそうな存在。絵里奈さん自身もきっと、主人公が本来ならば自分と同じ会社にいるのがおかしいと思っているのかもしれません。だからそのうち、辞表を書いてまったく違う世界に行っちゃうんじゃあないだろうか、と。
恋なのかどうかはわかりませんが、絵里奈さんは自分にとってちょっと可愛いと感じる同年代の男の人を近くに置いておきたいのかもしれない。
それは、「あなたは魅力的な人なんだよ」って言われているような気がして、「だから別の世界なら、あなたのことを必要としている人はいっぱいいるんだよ」とも言われている気がして、「だけど私はあなたにここにいてほしいんだ」って本音も語ってくれているような、そういうなんだかちょっとくすぐったい気持ちになるような響きが含まれているよなあと感じました。
絵里奈さんは女性としてはとても魅力的な人です。思わず私も餌付けされたいと感じるくらい。ポッキーを兎のようにぽりぽりと食べるところも可愛らしい。そのくせ圧倒されるような感覚があるという、そのオーラもうらやましい(笑)
つまるところ働き始めの彼に、冷たい社会にさらされた後輩に、エールを送っているんですよね。
ただ「がんばれ」と言われるよりも、ずっとずっとぐっとくる言葉だなあと感じました。
心が温まるとはちょっと違うのだけれども、なんだか心の張り詰めた緊張が少しだけゆるむような、そんな素敵なお話だと感じました。
そんな感じで感想終わりです。
このたびは素敵なお話を読ませていただき、ありがとうございました。
またご依頼いただける機会があれば、他の作品にも触れてみたいなあと感じました。