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「うまくいかなさ」を表現する

「ライ麦畑をさがして」という本を読みました。
「ライ麦畑でつかまえて」を愛読書にしている精神病院を退院したばかりの青年の話です。
ホールデンは入院してしまったところで終わってしまうのに、、彼は退院してしまった。そして学校で出た課題は「ライ麦畑でつかまえて」の続きを書くというものだった――

あと書きを読んだとき、大江健三郎は「作家というものは子供の頃の出来事を繰り返し書いているにすぎない」と言ったと書いてありました。まったくそのとおりです、作家っていうのはあの時代をぐるぐるしているだけなのだと思います。
「うまくいかなさ」を表現するのが作家、何か次の一歩の勇気をくれるのが本なのかなって私は感じました。
主人公のニールが見たサリンジャーの姿はあまりに孤独だった。ホールデンをあれだけ生き生きと書いたとは思えないほど老いていた。
自分を理解してくれていたのはホールデンでもサリンジャーでもなく、周りの人々だったというお話でした。
私自身、「この話は私の手元にくるために書かれた本だ!」と感じた本が何冊もあるけれども、「ライ麦畑をさがして」も、その中の一冊です。だけどニールが私を理解してくれているわけじゃあない、きっと理解してくれているのは一番身近な人たちなのでしょう。

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