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染井さんのサイト
http://ikasamaya.daa.jp/
「君のための童話」(以下、同性愛・暴力描写注意)
http://ikasamaya.daa.jp/novel/kiminotameno/akira.html
「僕と彼と生と死と」
http://ikasamaya.daa.jp/novel/bokukare/bokukare.html
「春憂」
http://ikasamaya.daa.jp/novel/yutaka/menu.html
あらすじ
彼らのことは彼らに聞いてみるべきだ。彼らの愛は、彼らの純粋な愛の形だ。
彼らは人生に失敗している。だけど愛することに成功している。
これは歪んでいる彼らが、愛を見つけるための物語。やさしい彼らが、自分を愛するまでのストーリー。
感想(うざく、語るよ!)
まずごめんなさい。人によってはこのお話は、好きじゃないかもしれません。人のお話に対してそれはないだろってやつだけど、この世界はあまりに悲しく、そしてクィアな表現があるためお好みに合わない方もきっといるかと思います。うざったいまでにこれから染井さんとこの作品を褒めちぎりますが、合わないと感じる方は染井さんでなく私を恨んでくださいませ。
私にとってこれは人生を変えるストーリーでした。そして私の人生においての問いと、答えでした。どっからどれだけ書いても「私のドストライクだったんだね」というところで終始一貫してしまいそうなのですが、そういう自己満足で終わるような賛美になることは覚悟なのですが、それでも語らせてください。私はこのお話に会えたことに感謝しています。そしてこのお話が今から12年前に始まっていて、そして私がもっともっと若い頃に、完結していることが悔しいです。もっと早く会えたらよかったのにと悔やまれます。
「君のための童話」
-夜の果て-
夜が怖いと泣く保志ちゃんのために、朗さんが夜の果てをいっしょに探しに行く話。
なんかこのお話の冒頭を読み始めたあたりで、自分がはまるのがわかってたので心の準備に数日いただきました。このお話含め、私が感じたことは、これは「君のための童話」なんだってこと。それは保志ちゃんなのかもしれないし、読んでいる私やあなたかもしれない。でもきっと、誰かのために用意された、誰かのためのお話なんじゃないかなってこと。
夜とか、死ぬとか、そんなのことが怖かったこと、誰でもあるんじゃないでしょうか。保志ちゃんの感じた夜はきっと、暗いだけの夜じゃないと思った。自分の存在が塗りつぶされちゃうような黒。
この作品のおまけでは「彼女はなんにもない白が嫌いだった」と別の女性のことがでてくるのですが、保志ちゃんは逆に全部自分じゃないものに変えられちゃう夜が怖かったのだと思います。闇は誰かにとっては怖く、誰かにとっては心地よい。光は誰かにとっては心地よく、誰かにとっては怖れるものなんじゃないかな。そんなことを考えさせられたお話です。
-猫と小人-
憎んで欲しかったという感情はきっと執着してほしかった、愛してほしかったという感情。工藤総一郎と朗さんのお話。
これには朗さんの書いた、失われた命と消えそうな命の会話のお話がでてくるのですが、あと総一郎くんの意地悪もろ出しなところも。意地悪して、憎んでほしくて、ただ記憶に自分を刻みたかった総一郎にとって、逆に朗の物語は印象的だったのだと思います。なんというか、馬鹿馬鹿しい、どこにだってあるようなお話だと言い切って否定したいのに、どこかで脳の隅っこに焼き付く言葉。そしてそのときの意地悪はセットで総一郎を悩ませます。朗が忘れたあとも、ずっと彼は思い出すと思う。総一郎は朗の中で忘れられない存在になろうとしたけれど、だけど本当は朗のことを忘れたくなかったんじゃないかしらと思いました。
-月-
月にうさぎが刻まれたお伽話。朗は彼女に言った。「君はうさぎのようだ」
辛辣なようで愛にあふれてて、君のためだよと言いながらすごくエゴイストな彼の目線。なんというか朗は何に対しても真剣すぎます。そしてそれがどれだけ人の苦しさをかき混ぜるのがわかっちゃいないのです。正論の痛みをきっと知っているようで知ってない。だけど「私は可哀想なんだ」と思ってる不特定の「誰か」は、「あんたに何がわかる!?」って思いながらこの言葉がきっと無視できないと思います。
この正論は刃です。人を斬りつけます。だけどこの言葉に傷つく誰かは、きっとどこかで変われることを望んでるような気がします。
-Castrato-
篤朗お父さんは変な人。なんというか、子供のようで、犯罪者のようで、お父さんのようで、夢のようで、まあ一言でいうと変な人です。
彼は美しいと描写されてるから美しいわけではなく、変態と書かれてるから変態なわけじゃあないです。どこかで綺麗なものを信じていて、どこかどころかもんのすごく薄汚れたところもあって、なんというかありきたりだけれども素直に「君を守るためそのために生まれてきたんだよ」って感じるような彼の気持ちは、薄汚れた彼の人生に対してあまりにも美しくピュアだな、なんて思いました。
-神様-
と、思わせて、次じゃそんなピュアだと思った篤朗さんをヒックリ返してくれるのが染井さんの素敵なところ。やっぱりこのお父さん汚れてるのだわ。
なんというか彼はそれでも、汚れていながら変わることのない何かを信じているのですね。
人間死んだらおしまいだと思ってる彼が最後についた嘘が、彼は嘘だと信じているけれども、きっと真実なんだと私は思うんです。
「僕と彼と生と死と」
この物語は痛い。というか痛々しい。というのは、私はこの痛みがどんぐらい痛いものか知ってるから。誰にも望まれずに生まれてきて、誰にも世話をしてもらえず、誰も彼のことを人格として扱わず、そして彼も誰かを人と扱うことを教えてもらえなかった。そして彼のひたすらささやかに欲ばれずに生きた人生は、病気という形であっけなくくる。
いろんなところに、私の間接的に、私の知り合った人たちの傷を見て知った感情がちらちら見える。朗は結局、ケイを否定しなかった。拒絶しなかった。危険なことですが、よくないことですが、それがケイにとってはきっと初めて人に人らしく扱ってもらったという喜びなんですね。
ケイという響きはKを想像すると描写されてますが、このKという響きはなんだか人格の存在しない残忍な性格の殺人鬼のような印象を受けます。ケイのこの人を人として扱えない態度にはどうがんばっても感化されようがないのですが、「消えてくれよ、目障りだ」という感情はいつしか「消えてくれよ、もう私を許して欲しい」に変わるというこの魔力。朗さんのトラウマは死でも、監禁でもなく、逃げた自分と、救えなかった自分です。あと忘れてしまうだろう自分を恨んでる。「君のための童話」では優しかった朗さんの、押しつぶされそうな心が好きです。ごちそうさまでした。
「春憂」
どこまでネタバレしていいのかわかりませんが、由貴がともかくかっけーです。由貴の周りには間違った愛情表現しかしない男、身勝手な男、惰弱な男、暴力男、そんなのしかいませんが、由貴はそんなの全然気にしてません。最初は由貴の幼稚な批判とか攻撃性にかつて若かったころ私にもあったアグレッシブな感情を刺激されて好きになったのですが、ところがどっこい、この人すっごく愛の、懐の深い人です。春憂にはいっぱいの人がとっかえひっかえでてきて、そしてあれよあれよとセンセーショナルな過去や人間関係を表しては消えていくのですが、またか、またかという本当になんというかお馬鹿な人たちなのねという彼らの愛情の表現のぐちゃぐちゃっぷりに呆れつつも、この愚かな人たちをずっと目で追ってしまうのですよね。見捨てられないんです。彼らは愛の形を知らないから、愛を真剣に探している。象の形を知らない盲目の人たちが象はこんな形だろうって話すお伽話みたいに。知ってる人から見たら馬鹿だけど、彼らは全然馬鹿じゃない。すっごくピュアな人たちだ。
そして由貴の人を傷つけて自分を守ることも、人を恨まず自分を傷つけるところも、なんで私でなくあいつが死んだのだろうという感情も、全然違う人生で、全然違う性格なのに、悔しいくらい私の知っている辛かった感情たちで、いつしか私はこれは由貴の話だと知りながら、どこかで私のために染井さんが書いてくれたんじゃないかなんて錯覚しつつ(失礼)そして由貴が最後に描いた愛の形と、どうか私の知ってる愛の形が近いものでありますようにとずっと願いながらズブズブ読んでいって、そして最後に泣いた。どうしようもなく泣きました。つか由貴はすごいです、こんな格好いい奴初めて見ました。正しい愛の形なんて知らないし、彼らは愛がどんなものかも知らないけれども、彼らは人を愛するために生まれてきたんだなって思ったら、この世界でどんな争いや悲しいことがあったとしても、みんな人を愛するために生まれてきたんだと思えてそれがすごく嬉しかったです。
まあ、こんなべた褒めで、染井さんでなく私がストーカーちっくで気持ち悪いのですが、最後に言わせてください。
私に朗さんをください。私が朗さんと会える日はいつなのですか!?
二次元に恋をする女はなかなか理想と会えないらしいですが、朗さんならば待てます。
そして私はこのお話に会えたことが幸せすぎて、うざいくらいに書きました。贔屓しすぎてすみません。徹夜で14時間耐久レースコンプリートは、オリジナルオンノベでは初めてでした。私の初めての喜びに付き合ってくれてありがとうございます。願わくば、第二第三の喜びに打ち震えるような小説・モノカキさんに会いたいです。
今自分を囲んでる人たちみんなにありがとうと好きですが言いたくなる、本当幸せすぎる徹夜でした。