比紗由さん、「置いてけの沼」感想 比紗由さんのサイト http://sorairosonoiro.web.fc2.com/index.html 「置いてけの沼」 http://sorairosonoiro.web.fc2.com/tanpen/oiteke.html あらすじ 七人兄弟の五男、甚助は鬱屈した思いを抱えていた。 置いてけの沼のもののけと人間の織り成すやさしく淡い恋物語。 感想 また時代物だ! と思って食いつく。この前花三郎の話を読んだときもそうですが、比紗由さんは時代物の恋愛を描くのがとても上手です。なんだかこういうお話、映画化しそうだなと思っちゃう話が多い。 置いてけの沼はその名のとおり「おいてけーおいてけー」と沼のほうから声がするのでみんながあまり近寄りたがらない沼。まあ甚助はそんなに怖がっちゃいませんが。木蓮の妖怪がそっと手を伸ばすシーンとか、奥ゆかしいですよね。どっちもリードするタイプでないから私が思わず「好きですって言っちゃえよ!」とノーパソに向けて身を乗り出すじれじれっぷり。だけどそんな二人の恋だからこそ、燃えて終わりではなく炭火のように末永く続いたのだと思います。 比紗由さんのお話は悲しいものもハッピーなものも、最後にほんのりあたたかでやさしい気持ちにさせてくれるところが好きです。ありがとうございました。 PR